こんにちわ!消しゴムはんこクリエーターのみむらともこです。
消しゴムはんこを彫るためにどんなカッターナイフを使ったらいいのか迷うことありませんか?
カッターナイフを見たときに形状や大きさが違うのは分かるけれど、消しゴムを彫ると考えたとき、一体どれが自分に適しているのか、カッターによってどんな違いがあるのか、カッターの形を見ただけでは判断しにくいですよね。
私は初めて消しゴムはんこに挑戦した時にデザインカッターを勧められてずっとそれだけを使って彫っていました。とりあえず消しゴムはんことして彫ることはできるけれど、本当にそれが適しているかまで見ていませんでした。
でも、それぞれのカッターの形状の違いや特徴を利用すれば、もっともっと面白い消しゴムはんこを作ることができそうですね!
今回は消しゴムはんこを彫るカッターナイフについて、実際に彫ってみながら、カッターによってどんな特徴や違いがあるのかをお伝えしていきます。
今回は天びんにかけたがる人と一緒に見ていきますよ!
それでは始めましょう!
1.消しゴムはんこのカッターにはどんな種類があるのか?
そもそもカッターナイフにはどんな種類があるのでしょうか?
私は、カッターナイフというと紙をまっすぐに切る工作用のカッターや、ちょっと大きくて段ボールをザクザク切るカッターが浮かびます。そして、消しゴムはんこを始めるまでデザインカッターなるものがあることさえ知りませんでした。
カッターを買おうと思うと文房具屋、ホームセンター、スーパー、コンビニ、100円ショップ、などどこでも手に入る日用品になってますね。でも、カッターナイフと言っても用途によって多くの種類があります。
では、カッターナイフにはどんな種類があって、その中でも消しゴムを彫れるカッターにどんなものがあるか見ていきましょう!
1-1.世の中にあるカッターを見てみよう
カッターナイフにはどんな種類があるのでしょうか?
実は日本国内ではカッターナイフを専門にする会社は実は2社しかありません。
「OLFA」と「NT」というメーカーです。
私が持っているカッターナイフを見てみたら、OLFAとNTでした。
OLFAは国内シェアが60%を占め、海外でも100か国を超える国で販売されているほど世界中のシェアを持っているメーカーです。
そんなOLFAのホームページから、どんなカッターナイフを製造・販売しているのかを見てみました。
出典:OLFAサイト(http://www.olfa.co.jp/ja/index.html)
目的別で見てみると
紙、布、プラスチック、合板、皮、などを切るためのカッター
種類別にみると
小型、大型、工作用、アート、円形、のこぎり刃、などのカッター
がありました。
見慣れている刃の形状のカッターだけで見ても、切る目的によって持ち手や太さが違ってます。
一般的によく見かけるカッターナイフ。
工作やちょっと紙を切りたいときに使いますね。
刃が厚くて太いカッターナイフ。
段ボールや厚紙だけでなく、合板まで切れます。
刃の角度が鋭い、細工用のカッターナイフ。
一般のカッターよりも角度が鋭いので繊細です。
そのほかにもコンパスのように軸で丸型に切れるカッターや、ピザカッターのような円形のカッターもあります。
カッターと言っても目的によってこんなに種類があったんですね!知りませんでした
1-2.消しゴムはんこを彫るのに使えるカッターは?
カッターには用途によってさまざまな種類のカッターがあることが分かりましたが、消しゴムを彫る、と考えたときにどんなカッターだったら使えそうでしょうか?
「消しゴムを彫る」という目的から考えた場合
消しゴムは
・柔らかい
・細かい線を彫ることがある
・紙よりも厚みがある(5~10mm程度)
・様々な形状の線を彫り、その形状は不規則(曲線、直線、角、丸)
とすると、ピザカッターのように裁断するわけではないので彫る目的とは異なりますね。消しゴムは硬くて厚いものではないので合金を切るような太くて大きなカッターも繊細な図案を彫るのは難しそうです。
というように消しゴムはんこ作業の目的から絞り込んでいくと、
・細かい部分を彫るのに小回りが利く(刃が大きくない)
・図案に沿って彫るので手元が見やすい(カッターが持ちやすくて小さめ)
となると、鉛筆を持つように持てるくらいの大きさがよさそうですね。目的を考えていくと、この辺りのカッターは消しゴムが彫れそうですね。
デザインカッター
鉛筆を持つように使えるので、文字を書く感覚で彫れそうです。刃が繊細なので細かい部分もきれいに彫れそうです。
一般的なカッターナイフ
日用品として使い慣れているので、消しゴムを彫るにも扱いやすいです。
細工用のカッターナイフ
一般的なカッターナイフと形状が似ているものの、刃が鋭いので一般的なカッターナイフより繊細な部分はきれいに彫れそうです。
カッターナイフの種類がたくさんあって迷いそうだと思っても、消しゴムはんこを彫るという作業の目的から見ていくと使えそうなカッターナイフはかなり絞れていきますね。自分がどんな作業をしたいかしっかり押さえれば迷うことなく道具を選ぶことができます。
2.消しゴムはんこのカッター違いは何?
消しゴムはんこに使えそうなカッターは何となく絞れたけれど、カッターが違うと彫ったときに何か違いはないの?と彫れそうだけれどどんな特徴があるのかがよく分かりませんね。
今回は2種類のカッターを使って、同じ図案をそれぞれ彫ってみました。
今回使うカッターはこちらです。
一般的なカッターナイフとデザインナイフです。
そして彫る図案はこちら
図案の怪しさは置いといて、彫るパーツを
1.輪郭
2.胴体
3.顔
4.細かいくり抜き
に分けて、それぞれのカッターで彫ったときの違いを比べてみました。
早速どんな違いがあるのか見ていきましょう!
2-1.一般的なカッターナイフで彫った場合
では、消しゴムはんこを一般的なカッターナイフで彫ってみます。
カッターナイフを消しゴムに刺したとき、切れる刃の向きがデザインナイフとは異なりこんな感じになります。
刃を刺して彫ってみると、消しゴムに刺したときのカッターの刃の表面積が多いため、動かすときに重さというか抵抗を感じました。
では、それぞれのパーツを彫っていったときどんな感じか見ていきましょう。
2-1-1.輪郭を彫ったとき
今回の怪しい人の輪郭を見てみると3つの特徴がありました。どんな絵だったかな?というと、こんなでしたね。
【お腹のあたりの緩やかな曲線】
動かしたときに重さを感じるから彫りにくいのかな?と思いきや、お腹のあたりの緩やかな長い曲線は刃の重みが安定感となってぶれずに彫りやすい印象でした。
重さが負担ではなく長い線を引くときには安定となってきれいに彫れる感覚でした。
【口の急な曲線】
緩やかな曲線はとても彫りやすいのですが、急な曲線になると抵抗が大きくて小回りが利かない感じでした。急な曲線はゆっくりと進まないとうまく回らずに大周りになってうっかり彫ってしまいそうです。
【背びれの細かい曲線と角】
背びれも曲線の集まりですね。急な曲線は周るときに慎重さが必要です。ひれとひれの間の角は刃の向きを気を付けて刺せば続けられます。
輪郭は接近する線が口の周辺以外ないのでそこまで慎重にならずに彫れました!
2-1-2.胴体を彫ったとき
お腹から背中は緩やかな曲線の集まりでした。そして、お腹には広めの空白。
緩やかな曲線の集まりは輪郭の時も同じですが、安定して彫れるので淡々と彫り進められました。
広めの空白はカッターの刃が大きいから楽々彫れそうと思いきや、切れる刃以外のところが邪魔になって1回に彫れる面積が思いのほか少なかったです。そのため、何度も細かく彫り進める感じになりました。
2-1-3.顔を彫ったとき
顔は広めの空白、残しておくべき小さなパーツでできています。
顔の広めの空白は胴体と同じく、彫れる面積が少ないので何度も刃を入れて彫る感じでした。顔がしわしわになってます。
目や鼻などの細かいパーツを残すのに、急な曲線になるので慎重さが必要でした。それでも、ゆっくりと進めれば大丈夫です。眉と目の接近しているところも刃を浅く入れてゆっくり彫れば問題ありませんでした。
2-1-4.細かい丸をくり抜くとき
汗や口元の泡、背びれのくりぬきです。
刃を浅く入れても表面積が大きいので小回りが利かない感じでした。ちゃんと彫れているかな?と思って深く刃を入れてしまうと彫りたくないところまで彫ってしまうのでかなり慎重になりました。
消しゴムに刺さる表面積がもう少し少ないと楽なんだけれどなぁという感じでした。今回使ったカッターは45度の角度なので30度だったらもっと細かいところがきれいに彫れるんじゃないかなぁと思います。
2-2.デザインカッターで彫った場合
デザインカッターの場合、消しゴムに刺さる刃の表面積が小さいので、動かしたときに軽く、小回りが利く感じでした。もしかしたらそれは慣れ?なのかもしれませんが、一般的なナイフと比べてみたらはっきりと感じられました。
デザインカッターを消しゴムはんこに刺したときはこんな感じの向きになりました
では、それぞれのパーツを彫ったときはどうでしょうか?見てみましょう!
2-2-1.輪郭を彫ったとき
デザインカッターで彫ったときも輪郭の3つのポイントを見ていきますよ!
【お腹のあたりの緩やかな曲線】
軽いので消しゴムは動かしやすいのですが、重みがない分ちょっとぐらぐらすると線が曲がったり、ガタガタになりやすいです。
軽いからとついつい勢い余って線から外れて彫ってしまった、なんてこともあります。
軽くて動かしやすいものの、長い線では不安定となってうっかりふらついてしまう感覚でした。
【口の急な曲線】
デザインカッターだと急な曲線は小回りが利いて彫っていける感じでした。でもうっかりとすると変な方向に回ってしまいそうなのでやはり慎重に彫っていかないと危ないです。
【背びれの細かい曲線と角】
背びれも曲線の集まりですね。急な曲線は小回りが利いて彫りやすいですが、軽いのでうっかり変な方向に行かないように舵取りが必要ですね。でも慣れてくるとクルンクルンとテンポよく彫り進めていけます。
2-2-2.お腹を彫ったとき
お腹から背中は緩やかな曲線の集まりでした。そして、お腹には広めの空白。
緩やかな曲線の集まりは輪郭の時も同じですが、抵抗が少なくて軽い分、うっかり線から外れてしまったり不安定な感じになります。
広めの空白は刃が小さいからちょっと彫るのが大変かと思いきや、刃を消しゴムに入れたときに消しゴムと切れる刃の接する線は長いので1回に彫れる面積が思いのほか多かったです。そのため、彫り進める回数も意外と少なくて済んだ感じです。
2-2-3.顔を彫ったとき
細かいパーツを残すのは急な曲線なので小回りが利いて彫りやすいのですが、軽い分うっかり外れて彫れてしまうことがありました。
広めの空白はやはり1回に彫れる面積が広く彫れる感じでした。
2-2-4.細かい丸をくり抜くとき
細かい丸のくりぬきは刃先を軸にくるんとリズムよくくりぬけてとても楽に感じました。人筆で一気にできてとても楽です。
2-3.彫ったときの違いのまとめ
一般的なカッターとデザインカッターで比べて彫ったときの感覚に違いを感じたのは4つでした。
【長い緩やかな線を彫るとき】
一般的なカッターは刃の表面積が大きい分長い線は安定して彫り進められる感じでした。一方デザインカッターは軽く動けれるけれど不安定でふらふらすると彫った線もすぐにガタガタしてしまいます。
【急な曲線を彫るとき】
一般的なカッターは刃の小回りが利かず回りきれず大きく彫ってしまいがちでしたが、デザインカッターは小回りが利いて一気に回れる感じでした。
【広い空間を彫るとき】
一般的なカッターは意外にも彫れる面積が少なく、刃を入れる回数が多かったです。一方でデザインカッターは彫れる面積が多く、彫る負担が一般のカッターよりも少なく感じました。
【細かい面をくり抜くとき】
一般的なカッターは小回りが利かず大回りしてしまう感じでした。細かいとちゃんと彫れているのかもちょっと怪しい感じ。一方デザインカッターはくるんと小回りが利いてリズムよく彫り進めることができました。
それぞれ同じ図案を彫った結果はこんな感じになりました!
右が一般的なカッターで彫った場合の出来上がり、左がデザインカッターで彫った場合の出来上がりです。
それぞれ彫った感覚に違いはありましたが、どちらのカッターであっても消しゴムはんこは彫れますね!
3.消しゴムはんこのカッター選びに迷ったときは?
2種類のカッターナイフで消しゴムはんこを彫ってみましたがいかがでしたか?
でも、自分にはどっちがいいのかよく分からないなぁというとき、どんな基準でカッターを選んだらいいのかを見てみます。
3-1.どっちが楽だと思えるか
まず一番大切なのは自分の手になじんで楽だなぁだと感じることです。ほかの人がどれがいいかを進めても自分の体に合っていなければうまく彫れないと思います。
どのカッターナイフを使わなければいけないか、なんてルールは全くありません。自分が使いやすくて楽しめればそれでいいんです。
まずはあるもので試してみて、手がうまく動かないな、持ちにくいな、と思ったら変えてみる。それでいいと思います。
3-2.彫る図案を見てみる
今回2種類のカッターナイフで彫ってみたようにカッターナイフの形状によってそれぞれの利点と欠点があります。それをうまく利用して、パーツによってカッターを変えて彫ってみるのもいいと思います。
とにかく彫りやすく、自分が楽だと感じられれば1本のカッターナイフですべて彫る必要はありません。それぞれの特徴を利用して2刀流、もいいですね!
3-3.とにかく試してみる!
もう分からないときはやってみるのが一番です!迷っているカッターを用意して基本図形を彫ってみます。
基本図形はこちらを参考に彫ってみてください。(消しゴムはんこ初心者さん必見!楽しむための4つのポイント)
基本の図形を彫ってみてどのカッターナイフが楽だったかで決めてみてもいいと思います。
いろいろ試してみると言っても、そんなにいくつもカッターナイフを買うのはどうかなぁ、と思うかもしれません。でも、カッターナイフの特徴に合わせて使い分けていくことができるので、よりきれいに消しゴムはんこが彫ることができます。
それに、カッターナイフは消しゴムはんこだけのための道具ではありません。そのため、持っていても無駄になることはないです!
まとめ
今回は消しゴムはんこを彫るカッターナイフについて見ていきました。
カッターナイフは目的に合わせて様々な種類がありましたね。私も驚きました!その中で消しゴムはんこを彫る、という作業の目的に合いそうなカッターナイフで探してみるとかなり絞られてきます。
実際に一般的なカッターナイフとデザインナイフの2種類で同じ図案を彫ってみましたが、カッターによって利点や困難な点が見つかりました。
実は今まで何気なく彫っていたために、私自信も気づかなかったことが多かったです。でも、どちらのカッターナイフであってもちゃんと彫ることができます。
つまり、どちらでも彫ることができるので、カッターはどちらでもいいってことですね。消しゴムはんこを彫るのに正しいとか間違えはないと思っています。何よりも自身の手の動きに合っているか、自分が楽、楽しいと思えるかが最も大切です。
そして無理に1本のカッターを使うと決める必要はなく、それぞれの特徴を利用して使い分けるときれいに仕上げることができます。
何よりも、自分に合ったカッターナイフで消しゴムはんこ作りを楽しみましょう!
ありがとうございました!